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特定空家で固定資産税6倍に!指定解除の条件と対策を専門家が解説

2026年08月26日

先日、高崎市内で相続した実家について相談に来られた50代の男性がいらっしゃいました。市から特定空家の勧告を受け、このままでは固定資産税が跳ね上がると知り、慌てて駆け込んでこられたのです。彼の実家は築45年の木造住宅で、屋根の一部が剥がれ、庭木も隣地に越境していました。「まさかうちが特定空家になるとは思わなかった」という言葉が印象的でした。

空き家を放置していると、ある日突然、市町村から特定空家の指定通知が届くことがあります。指定されると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が一気に増加します。しかし、適切な対応をすれば指定を解除できる可能性があります。今回は、特定空家指定の仕組みと解除の条件について、現場で数多くの事例を見てきた立場から詳しくお伝えします。

特定空家とは何か

特定空家とは、空家等対策特別措置法に基づいて市町村が指定する問題のある空き家のことです。2015年に施行されたこの法律により、自治体は放置された危険な空き家に対して法的措置を取れるようになりました。

特定空家に指定される基準は大きく4つあります。第一に、倒壊などの危険性がある状態です。外壁の剥落や屋根材の飛散の恐れがある建物が該当します。第二に、衛生上有害となる恐れがある状態で、ゴミの放置や害虫の発生などが含まれます。第三に、適切な管理が行われず著しく景観を損なっている状態、第四に、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態です。

私が相談を受けた事例では、外壁のモルタルが剥がれて隣家の敷地に落ちたケースや、庭木が電線に接触しかけているケースなど、実際に近隣に影響を及ぼしている状態で指定されることが多くあります。

固定資産税が6倍になる仕組み

特定空家に指定されると、なぜ固定資産税が急増するのでしょうか。通常、住宅が建っている土地には住宅用地特例という優遇措置が適用されています。この制度により、200平米までの小規模住宅用地では固定資産税が6分の1に、都市計画税が3分の1に軽減されています。

しかし特定空家に指定され、市町村からの勧告を受けると、この特例が適用除外となります。例えば、評価額1000万円の土地に建物がある場合、通常は固定資産税が年間約2.3万円ですが、特例が外れると年間約14万円になります。単純計算で約6倍の負担増となるのです。

群馬県内でも、この税負担増に驚いて慌てて相談に来られる方が増えています。特に相続した実家を遠方から管理している方にとって、突然の通知は大きなショックとなります。

特定空家指定の段階的プロセス

特定空家の指定は、いきなり行われるわけではありません。段階的な手続きを経て進められます。まず最初に、市町村による実態調査が行われます。近隣住民からの通報や定期的なパトロールで問題が発見されると、職員が現地調査に訪れます。

次に、所有者に対して助言または指導が行われます。この段階では法的拘束力はなく、改善を促す通知が届きます。改善が見られない場合、次の段階として勧告が出されます。勧告を受けた時点で住宅用地特例が除外され、固定資産税が上がります。

さらに改善されない場合は命令が出され、命令違反には50万円以下の過料が科されます。最終的には行政代執行により、所有者の意思に関わらず建物が解体され、その費用が請求されることもあります。高崎市内でも、過去に数件の代執行事例があり、解体費用として200万円から500万円が所有者に請求されています。

特定空家指定を解除する条件

では、一度指定された特定空家を解除するには、どのような対応が必要でしょうか。基本的には、指定理由となった問題を解消することが条件となります。

建物の危険性が理由の場合は、修繕や補強工事を行い、安全性を確保する必要があります。屋根や外壁の修繕、倒壊の危険がある部分の補強などが該当します。衛生上の問題であれば、敷地内の清掃やゴミの撤去、害虫駆除などを行います。景観上の問題なら、外観の改善や庭木の剪定、雑草の除去などが求められます。

実際に私が関わった事例では、外壁の一部を修繕し、庭木を剪定して隣地への越境を解消したところ、約3か月後に指定が解除されました。解除されれば住宅用地特例が再び適用され、固定資産税も元の水準に戻ります。

ただし注意すべきは、修繕工事には相応の費用がかかることです。状態によっては100万円以上の工事費が必要になることもあり、その場合は売却や解体も含めた総合的な判断が求められます。

解除のための具体的な手順と注意点

特定空家の指定解除を目指す場合、まず市町村の担当窓口に相談することから始めます。多くの自治体では空き家対策の専門部署があり、どのような改善が必要か具体的に教えてもらえます

次に、建物の状態を専門家に診断してもらうことが重要です。建築士による建物診断を受けることで、必要最小限の修繕範囲が明確になります。過剰な工事を避け、費用対効果の高い対策を立てられます。

工事を行う場合は、着工前と完了後に市町村に報告し、現地確認を受けます。確認後、問題が解消されたと認められれば、指定解除の手続きが進められます。自治体によっては解除までに1か月から3か月程度かかることもあります。

注意点として、一時的な対応では再指定のリスクがあります。例えば庭木を剪定しても、その後放置すれば再び問題となります。継続的な管理体制を整えることが、解除後も安心して所有を続けるポイントです。

解除が難しい場合の選択肢

修繕費用が高額になる場合や、今後も適切に管理する見通しが立たない場合は、別の選択肢を検討する必要があります。最も現実的なのは、建物を解体して更地にする方法です。

解体すれば特定空家の指定は自動的に解除されますが、住宅用地特例も同時に失われるため、固定資産税は上がったままになります。ただし将来的に売却しやすくなる、管理の手間がなくなるなどのメリットがあります。高崎市内では、木造住宅の解体費用は坪あたり3万円から5万円が相場です。

もう一つの選択肢は売却です。特定空家に指定された状態でも、専門の買取業者や投資家に売却できる可能性があります。ただし市場価格よりは安くなることが一般的です。また、隣地の所有者に買い取ってもらえるケースもあります。

私がこれまで対応した案件では、修繕か解体かの判断基準として、工事費用と残存価値を比較することを提案しています。建物の築年数や立地、今後の活用予定などを総合的に考慮し、最も合理的な選択をすることが大切です。

まとめ|早期対応で選択肢を広げる

特定空家に指定されると固定資産税の負担が大幅に増えますが、適切な対応をすれば指定を解除できます。修繕や清掃によって問題を解消し、市町村の確認を受けることで、住宅用地特例を取り戻すことが可能です。

重要なのは、助言や指導の段階で早めに対応することです。勧告を受ける前であれば、比較的軽微な対策で済むことも多くあります。また、修繕が難しい場合でも、解体や売却といった選択肢があります。

空き家問題は放置するほど選択肢が狭まり、コストも増大します。建築士として多くの建物を診断してきた経験から言えるのは、早期の専門家への相談が最も費用対効果の高い対策だということです。特定空家の通知を受けたら、まずは状況を整理し、専門家とともに最適な解決策を見つけてください。

ホームクエストでは、相続・空き家・空き地・農地のご相談を承っています。経験豊富な代表が、最初から最後までご一緒します。

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