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空き家の台風シーズン9月の備え|相続不動産を守る具体策

2026年08月08日

先日、高崎市内で築35年の空き家を相続された方から連絡がありました。「台風が来る前に何をすればいいのか分からなくて」と不安そうな声でした。現地を確認すると、雨樋が外れかけ、庭木が隣家に覆いかぶさり、窓ガラスには大きなひび割れが。幸い台風到来の2週間前だったため、最低限の対策を間に合わせることができました。9月は台風シーズンの本番です。相続した空き家を所有している方にとって、この時期の備えは決して他人事ではありません。

空き家は人が住んでいる家と比べて劣化の進行が早く、台風による被害を受けやすい状態にあります。特に近年は台風の大型化が進み、想定外の被害が各地で報告されています。適切な備えをしていないと、建物自体の損傷だけでなく、近隣への二次被害を引き起こし、損害賠償責任を問われるケースもあります。今回は、業界経験25年の視点から、9月の台風シーズンに向けて相続空き家で実施すべき具体的な対策をお伝えします。

9月の台風シーズンが空き家に与えるリスク

気象庁のデータによれば、9月は年間で最も台風の接近・上陸が多い月です。過去30年の統計では、9月だけで年間台風接近数の約3割が集中しています。群馬県は内陸部のため直撃は少ないものの、強風や豪雨の影響は十分に受けます。実際に2019年の台風19号では、高崎市内でも多くの建物被害が報告されました。

空き家が台風で受けやすい被害には、屋根材の飛散、雨樋の破損、窓ガラスの割れ、外壁の剥がれ、樹木の倒壊などがあります。特に危険なのは、飛散物が近隣の家屋や車両、通行人に被害を与えるケースです。所有者には民法上の工作物責任があり、適切な管理を怠っていた場合、損害賠償責任を負う可能性が高くなります。過去には空き家の屋根材が飛んで隣家の車を損傷させ、修理費用約80万円の賠償を求められた事例もあります。

また、台風後に雨漏りが発生しても気づかず放置してしまい、次に訪問したときにはカビや腐朽が進行して修繕費が大幅に増えるという事態も珍しくありません。人が住んでいれば異変にすぐ気づけますが、空き家では発見が遅れるため、被害が拡大しやすいのです。

台風前に必ず点検すべき外回りのチェックポイント

台風シーズン前には、まず建物の外回りを入念に点検することが重要です。屋根・雨樋・外壁・窓の4箇所は最優先で確認してください。屋根は地上から目視でも構いませんが、瓦のズレや破損、トタン屋根の浮きや錆びがないかを確認します。特に築20年以上の建物では、屋根材の劣化が進んでいる可能性が高いため注意が必要です。

雨樋は詰まりや外れがないかを確認します。落ち葉や土が溜まっていると、豪雨時に水があふれて外壁を伝い、雨漏りの原因になります。実際に私が対応した事例では、雨樋の詰まりが原因で外壁内部に水が浸入し、修繕に約45万円かかったケースがありました。雨樋の清掃は脚立があれば自分でもできますが、高所作業に不安がある場合は専門業者に依頼するほうが安全です。

窓ガラスはひび割れや破損がないか、窓枠のガタつきがないかを確認します。古い木製サッシは経年劣化で枠が緩んでいることがあり、強風で窓が外れる危険性があります。外壁は剥がれやひび割れがないか、モルタルやタイルが浮いていないかをチェックします。手で触って浮きがある場合は、台風の強風で剥がれ落ちる可能性があるため、早急に補修が必要です。

庭木と飛散物対策で近隣トラブルを防ぐ

意外と見落とされがちなのが、庭木や敷地内の飛散しやすい物の管理です。空き家の敷地では樹木が伸び放題になっていることが多く、台風の強風で枝が折れて隣家に飛んだり、倒木で道路を塞いだりするリスクがあります。特に高さ3メートルを超える樹木や、幹が細く背の高い木は要注意です。

実際に高崎市内で対応した事例では、空き家の庭にあった樹齢30年ほどの桜の木が台風で倒れ、隣家のフェンスを破損させてしまいました。所有者は遠方に住んでおり、庭の管理まで手が回っていなかったそうです。結果としてフェンスの修理費約25万円と伐採費用約15万円を負担することになりました。樹木は台風シーズン前に剪定し、枯れ枝は除去しておくことが重要です。

また、敷地内に置きっぱなしの物干し竿、植木鉢、波板、古い自転車なども強風で飛散する危険があります。屋内に収納できるものは収納し、できないものは固定するか処分してください。特に波板やトタン板は軽くて飛びやすく、飛散すると凶器になります。台風が接近してからでは対応が間に合わないため、9月上旬までに敷地内の飛散物対策を完了させることをおすすめします。

室内の雨漏り対策と事前準備

台風による雨漏りは、建物の劣化を一気に進行させます。天井や壁にシミがある場合は、すでに雨漏りしている可能性が高いため、台風前に専門家による調査と応急処置が必要です。雨漏りを放置すると、天井裏の木材が腐朽し、修繕費が数十万円から百万円以上に膨らむことも珍しくありません。

室内でできる対策としては、窓のサッシ周りにタオルを置いて吹き込み対策をする、雨漏りしそうな箇所の下にバケツやブルーシートを準備しておくなどがあります。また、台風通過後にすぐ点検できるよう、室内の主要な場所の写真を事前に撮影しておくと、被害の有無を比較しやすくなります。特に天井や壁のシミは、台風前後の写真があれば保険請求時の証拠資料としても使えます。

万が一雨漏りが発生した場合に備えて、地元の工務店や修繕業者の連絡先を事前に控えておくことも大切です。台風通過直後は修理依頼が殺到するため、なかなか対応してもらえないこともあります。日頃から信頼できる業者を見つけておくと、緊急時に素早く対応してもらえます。

火災保険の補償内容を確認しておく

相続した空き家でも、多くの場合は火災保険に加入しているはずです。しかし、補償内容を正確に把握している方は意外と少ないのが現状です。台風による被害は、火災保険の「風災補償」でカバーされることが一般的ですが、契約内容によっては免責金額が設定されていたり、経年劣化による被害は対象外だったりします。

特に注意が必要なのは、空き家の場合は通常の住宅と異なり、保険会社によっては補償内容が制限されたり、保険料が割増になったりすることです。また、建物が著しく老朽化している場合は、保険加入自体を断られるケースもあります。台風シーズン前に保険証券を確認し、風災・雪災・雹災の補償が含まれているか、補償金額は建物の価値に見合っているかをチェックしてください。

もし補償内容が不十分だと感じたら、保険の見直しを検討する価値があります。ファイナンシャルプランナーの視点から見ると、適切な保険加入は空き家所有のリスクマネジメントの基本です。弊社でもご相談に応じていますので、保険内容に不安がある方はお気軽にお問い合わせください。

まとめ|早めの対策が被害と費用を最小限に抑える

空き家の台風対策は、9月に入ってからでは遅い場合があります。理想的には8月中から準備を始め、9月上旬には対策を完了させておくことが重要です。屋根・雨樋・外壁・窓の点検、庭木の剪定、飛散物の撤去、室内の雨漏り対策、火災保険の確認という5つのステップを順番に実施してください。

遠方に住んでいて自分で点検できない場合は、地元の管理業者に依頼するのも一つの方法です。月1回の巡回点検サービスを利用すれば、台風前後の状況も確認してもらえます。費用は月5,000円から15,000円程度が相場ですが、大きな被害を防げることを考えれば、決して高い投資ではありません。

また、台風対策をしても建物の老朽化が進んでいる場合、修繕費がかさむ前に売却や活用を検討するのも現実的な選択肢です。専門家の視点から見れば、毎年台風のたびに不安を抱えるよりも、早めに方針を決めて行動したほうが、経済的にも精神的にも負担が少なくなります。相続不動産の今後について迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。建築士としての建物診断と、宅建士としての不動産評価、そしてファイナンシャルプランナーとしての資金計画まで、総合的にサポートいたします。

ホームクエストでは、相続・空き家・空き地・農地のご相談を承っています。経験豊富な代表が、最初から最後までご一緒します。

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