先日、高崎市内で築40年の実家を相続された50代の方から「不動産会社に専任媒介を勧められたけれど、複数の会社に頼んだほうが早く売れるんじゃないですか?」と質問されました。実はこの疑問、相続不動産を扱う現場で非常によく耳にします。
専任媒介と一般媒介、どっちを選ぶかで売却活動の進み方は大きく変わります。不動産会社の立場からは専任媒介を勧めることが多いのですが、売主様の状況によっては一般媒介のほうが適している場合もあります。今回は業界経験25年の立場から、それぞれのメリット・デメリットを具体的な数字と事例を交えてお伝えします。
専任媒介と一般媒介の基本的な違い
媒介契約には大きく分けて専任媒介契約と一般媒介契約の2種類があります。専任媒介は1社だけに売却を任せる契約で、一般媒介は複数の不動産会社に同時に依頼できる契約です。
専任媒介には「専任媒介」と「専属専任媒介」の2つがありますが、どちらも契約期間は最長3ヶ月と法律で定められています。専属専任のほうがより厳しく、売主自身が見つけた買主とも不動産会社を通さなければなりません。一方、一般媒介には契約期間の法的制限がなく、自由度が高い契約形態です。
建築士・宅建士・ファイナンシャルプランナーの資格を持つ代表として多くの相続案件を見てきましたが、実は契約形態の選択が売却期間に平均で1.5ヶ月程度の差を生むこともあります。
専任媒介のメリットと注意点
専任媒介の最大のメリットは、不動産会社が本気で販売活動に取り組む点です。1社だけに任せるため、会社側も広告費をかけやすく、レインズへの登録義務が法律で定められています。専任媒介は契約から7日以内、専属専任は5日以内にレインズ登録が必要です。
さらに売主への報告義務もあります。専任媒介は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上、書面またはメールで活動状況を報告しなければなりません。相続不動産のように遠方に住んでいる売主様にとって、この定期報告は安心材料になります。
ただし注意点もあります。担当者の能力や会社の販売力によって結果が大きく左右される点です。1社に絞るため、その会社が積極的に動かなければ売却が長引くリスクがあります。実際に他社で専任契約していた空き家物件が3ヶ月売れず、一般媒介で弊社にもご依頼いただいたところ1ヶ月で成約したケースもありました。
一般媒介のメリットと注意点
一般媒介の最大のメリットは、複数の不動産会社に同時に依頼できる点です。会社ごとに得意なエリアや顧客層が異なるため、買主候補の母数を増やせる可能性があります。
また、専任媒介のような厳しい縛りがないため、自分で買主を見つけた場合も自由に取引できます。売却を急がず、良い条件の買主が現れるまで待ちたいという方には向いている契約形態です。
一方で、不動産会社側から見ると一般媒介は優先度が下がりがちです。他社で成約してしまえば広告費が無駄になるため、積極的な広告投資をしにくいという実情があります。レインズへの登録義務もなく、報告義務もないため、売主側から見ると活動状況が見えにくいというデメリットもあります。
群馬県内の相続物件で、5社に一般媒介を依頼したものの、どの会社も本気で動かず半年経っても売れなかった事例もあります。結局、専任媒介に切り替えて建物診断から価格設定まで丁寧に対応したところ、2ヶ月で売却できました。
相続不動産の現場から見た成約率の違い
私が実際に扱った相続不動産の事例では、専任媒介のほうが成約率が高い傾向にあります。特に築古物件や立地条件が厳しい物件では、その差が顕著です。
たとえば高崎市郊外の築50年の空き家を専任媒介で受けた際、まず建物の劣化状況を建築士の視点で診断し、解体費用の見積もりを取り、さらにファイナンシャルプランナーとして買主側の資金計画まで提案しました。このようにワンストップで対応できる体制があると、買主の不安を解消しやすく成約につながります。
一方、一般媒介で複数社に依頼された場合、どの会社もそこまで深く物件に関わらないことが多いのです。結果として表面的な情報だけで売りに出され、問い合わせが来ても成約まで至らないケースが増えます。
数字で見ると、弊社で扱った相続案件のうち専任媒介の成約率は約85%、一般媒介では約60%という結果でした。もちろん物件の条件にもよりますが、専任のほうが責任を持って最後まで対応する分、成約率が高まる傾向があります。
どっちを選ぶべき?判断基準と具体例
では、専任媒介と一般媒介、どっちを選ぶべきでしょうか。判断基準として以下のポイントを参考にしてください。
専任媒介が向いているケースは、築古物件や立地条件が厳しい物件、早期売却を希望する場合、遠方に住んでいて定期的な報告がほしい場合などです。特に相続した空き家は、建物診断や測量、境界確認など専門的な対応が必要になることが多く、1社が責任を持って進めたほうがスムーズです。
実際に前橋市の農地付き空き家を相続された方は、専任媒介で依頼され、農地転用の手続きから建物解体の手配、測量まで一貫して対応した結果、3ヶ月で売却が完了しました。
一般媒介が向いているケースは、人気エリアの好条件物件、売却を急いでいない場合、複数の会社の意見を聞きたい場合などです。駅近や新しい物件であれば、複数社に依頼しても各社が積極的に動く可能性が高く、競争によって早期売却につながることもあります。
ただし一般媒介を選ぶ場合でも、依頼する会社は2〜3社程度に絞ることをおすすめします。5社も6社も依頼すると、かえってどの会社も動かなくなるからです。
媒介契約を結ぶ前に確認すべきこと
専任媒介と一般媒介、どっちを選ぶにしても、契約前に確認すべきポイントがあります。
まず査定の根拠を必ず聞いてください。相続不動産は感情的に高く評価しがちですが、現実的な市場価格を把握することが重要です。複数社の査定を比較し、根拠が明確な会社を選びましょう。
次に販売活動の内容を具体的に確認します。ポータルサイトへの掲載、チラシ配布、レインズ登録など、どのような活動をするのか事前に聞いておくと安心です。専任媒介の場合は報告の頻度や方法も確認しておきましょう。
さらに専門家の立場から重要だと考えるのが、建物診断や測量の必要性の見極めです。相続不動産は境界が不明確だったり、建物の劣化が進んでいたりすることが多く、これらを放置したまま売りに出すと買主が見つかりにくくなります。契約前に必要な調査を提案してくれる会社を選ぶことが大切です。
契約期間も確認ポイントです。専任媒介は最長3ヶ月ですが、途中解約の条件も確認しておきましょう。一般媒介は期間の定めがないことが多いですが、逆にいつでも解約できることを確認しておくと安心です。
まとめ|相続不動産は信頼できる1社との専任媒介が基本
専任媒介と一般媒介、どっちを選ぶかは物件の条件や売主様の状況によって変わりますが、相続不動産の場合は専任媒介が基本だと考えています。
築古物件や空き家、農地などは、建物診断から境界確認、測量、売却後の税務相談まで、専門知識を持った担当者が一貫して対応したほうが、結果的に早く高く売れる可能性が高いからです。一般媒介で複数社に依頼しても、表面的な対応で終わってしまうことが多いのが実情です。
ただし専任媒介を選ぶ場合は、会社選びが極めて重要です。経験豊富な代表が最初から最後まで責任を持って対応してくれるか、相続不動産の特性を理解しているか、建物や土地の専門知識があるかなど、しっかり見極めてください。
群馬県高崎市で相続不動産の売却を検討されている方は、まず信頼できる専門家に相談し、ご自身の状況に合った媒介契約を選んでいただければと思います。焦らず、納得のいく選択をしてください。
ホームクエストでは、相続・空き家・空き地・農地のご相談を承っています。経験豊富な代表が、最初から最後までご一緒します。
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