先日、高崎市内の60代の男性から「父から相続した古いアパートを売りたいが、入居者が3世帯いる。どうすればいいのか」という相談がありました。築45年の木造アパートで、遠方に住む相続人にとっては管理も負担で、かといって入居者がいる状態での売却は難しいと考えていたようです。しかし、適切な手順を踏めば、入居者がいる状態でも売却は十分可能です。今回は、この事例を中心に、高崎で古アパートを入居者ありの状態で売却する具体的な方法をお伝えします。
入居者がいるアパートの売却は、空室物件とは異なる配慮と専門知識が必要です。入居者の権利を守りながら、売主の希望も実現する。そのバランスをどう取るかが、成功の鍵となります。
入居者がいる古アパート売却の実例|高崎市片岡町エリア
ご相談いただいたのは、高崎市片岡町に近いエリアにある築45年の木造アパートでした。全6戸のうち3戸に入居者がおり、家賃は月3万円から4万円程度。相続人である息子さんは東京在住で、高崎まで月に1度通って管理するのが限界でした。固定資産税や修繕費を考えると、このまま保有し続けるよりも売却したいというご希望でした。
最初の現地調査では、建物の老朽化が進んでおり、外壁の塗装剥がれや屋根の一部破損が見られました。しかし、入居者の方々は長年住んでおられ、急な退去を求めることは現実的ではありません。そこで私たちは、入居者付きのまま投資用物件として売却する方針を提案しました。この判断が、その後の成功につながります。
入居者がいる状態で売却するメリットと注意点
入居者がいるアパートを売却する場合、オーナーチェンジ物件として扱います。これには明確なメリットがあります。まず、購入者は買った瞬間から家賃収入を得られるため、投資家にとって魅力的です。空室を埋める手間がなく、すぐに収益が発生する点が評価されます。
この事例では、月額家賃収入が合計10万円ありました。年間120万円の収入が見込める物件として、地元の不動産投資家に提案したところ、複数の問い合わせがありました。ただし、注意点もあります。入居者の権利は法律で守られているため、売却後も現在の賃貸借契約はそのまま引き継がれます。購入者にはこの点を明確に説明し、理解を得ることが不可欠です。
また、建物の状態を正確に把握することも重要です。代表が建築士の視点で建物診断を行い、修繕が必要な箇所とその概算費用を明示しました。購入者が後からトラブルにならないよう、透明性を保つことが信頼関係を築きます。
入居者への説明と合意形成のプロセス
入居者がいる物件を売却する際、最も気を配るべきは入居者への丁寧な説明です。突然オーナーが変わると聞いて、不安を感じる方は少なくありません。この事例では、売却を決める前に、まず入居者全員に個別に状況をお伝えしました。
説明のポイントは3つです。まず、賃貸借契約は新オーナーにそのまま引き継がれること。家賃や契約条件は変わらず、住み続けられることを明確に伝えました。次に、新オーナーが決まるまでのスケジュール感を共有しました。具体的には約3か月以内の売却を目指すと伝え、安心していただきました。最後に、質問や不安があればいつでも相談できる窓口を設けました。
入居者の方々からは「このまま住めるなら安心」という声をいただき、スムーズに進めることができました。こうした丁寧なコミュニケーションが、後の売却活動を円滑にします。
売却価格の設定と投資家へのアプローチ
入居者付き古アパートの売却価格は、収益還元法を用いて算出します。年間家賃収入を利回りで割り戻す方法です。この物件では、年間家賃収入120万円に対し、想定利回り10%で算出し、売却価格を1200万円に設定しました。土地の評価や建物の状態も加味しつつ、投資家にとって魅力的な価格帯を目指しました。
販売活動では、地元高崎の不動産投資家や収益物件を探している層に絞ってアプローチしました。専門家である代表が、物件の収益性だけでなく、立地の将来性や周辺環境も含めて説明しました。高崎駅から車で約15分、スーパーやコンビニも近く、入居者が長く住み続けやすい環境であることが評価されました。
結果として、売り出しから約2か月で買い手が見つかり、価格交渉もスムーズに進みました。最終的には1150万円で成約し、売主様も満足される結果となりました。
建物診断と法的手続きで安心の取引を実現
古アパートの売却では、建物の状態を正確に伝えることが信頼の基盤です。経験豊富な代表が建築士として現地で詳細な診断を行い、構造・設備・外装の状態を報告書にまとめました。屋根の一部に雨漏りの痕跡があり、修繕費用として約50万円が必要と見積もりました。この情報を購入希望者に事前に開示したことで、後のトラブルを防ぐことができました。
また、宅建士として契約書類の作成と重要事項説明を担当しました。入居者付き物件特有の賃貸借契約の引き継ぎ条項や、敷金の承継についても明確に記載しました。購入者には、入居者との関係が円滑に続くよう、引き継ぎ後の管理体制についてもアドバイスを行いました。
さらに、FPの視点から、売主様には譲渡所得税の概算や、売却後の資産運用についてもご説明しました。相続した不動産を売却する際の特別控除の活用など、税務面でのメリットも最大限活用していただけるよう支援しました。
まとめ|入居者がいても高崎の古アパートは売却できる
入居者がいる古アパートの売却は、決して不可能ではありません。むしろ、適切な方法を取れば、収益物件として高い評価を得られる可能性があります。今回の事例では、入居者への丁寧な説明、正確な建物診断、適正な価格設定、そして法的手続きの透明性が成功の要因でした。
高崎で古アパートの売却にお悩みの方は、まず現状を正確に把握することから始めてください。入居者の有無、建物の状態、立地条件などを総合的に判断し、最適な売却方法を選ぶことが大切です。専門家のサポートを得ることで、相続人の負担を減らしながら、納得のいく売却が実現します。
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